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陶器にカビや黒ずみができる原因とは?陶芸家が教える予防とお手入れ方法

はじめに

「久しぶりに器を使おうと思ったら、黒い点々ができていた。」

そんな経験はありませんか?

お気に入りの器に黒ずみを見つけると、汚れてしまったのか、もう使えないのかと心配になりますよね。

実は、陶器は素材の性質や保管環境によって、カビや黒ずみが発生することがあります。

ただし、黒ずみのすべてがカビというわけではありません。使い込むことで生まれる変化もあれば、お手入れが必要な汚れもあります。

今回は、陶器にカビや黒ずみができる原因と、日常で気を付けたいお手入れ方法についてお話しします。

なぜ陶器にカビが生えるのでしょうか?

陶器は、土を主原料として作られています。

磁器に比べて吸水性のあるものが多く、釉薬が掛かっていない底の部分などから、水分が染み込むことがあります。

洗ったあとに十分乾かさず、湿気の多い場所へ収納してしまうと、残った水分や汚れをもとにカビが発生する場合があります。

特に気を付けたいのは、器を重ねて収納するときです。

一見乾いているように見えても、底の部分に水分が残っていることがあります。そのまま重ねると空気が通りにくくなり、湿気がこもってしまいます。

とはいえ、陶器だから必ずカビが生えるというわけではありません。

器の吸水性や使用環境によっても違いがありますし、日頃のお手入れで予防できることも多いのです。

黒ずみの原因はカビだけではありません

陶器に現れる黒ずみには、いくつかの原因があります。

例えば、お茶やコーヒーなどの色素が、釉薬の細かな貫入(かんにゅう)に入り込むことがあります。

また、器の底に付いた汚れや、料理の油分によって色が変わることもあります。

こうした変化は、必ずしもカビや破損を意味するものではありません。

ただし、見た目だけで原因を判断するのは難しい場合もあります。

特に、黒い斑点が増えてきたり、カビ特有のにおいがしたりする場合は注意が必要です。

経年変化として楽しめるものと、衛生面から対処した方がよいものは、分けて考えることが大切だと思います。

カビや黒ずみが気になったときの対処法

まずは、柔らかいスポンジと中性洗剤で丁寧に洗ってみてください。

表面に付着した汚れであれば、通常の洗浄で落とせることもあります。

茶渋などの着色汚れには、器の材質や釉薬によって酸素系漂白剤が使える場合もあります。ただし、装飾や釉薬を傷める可能性もあるため、作り手の取り扱い説明を確認してから使用することをおすすめします。

また、カビが疑われる場合は、単に表面を洗うだけでは十分でないこともあります。

内部まで入り込んだカビは完全に取り除けない場合があるため、においや変色が残る器は、無理に食器として使い続けない方が安心です。

大切なのは、汚れを落とそうとして無理な処置をしないこと。

器の状態に合わせて、慎重にお手入れしていただければと思います。

陶芸家として思うこと

私は、陶器には使い込むことで生まれる美しさがあると思っています。

お茶の色が貫入に入り込んだり、少しずつ表情が変わったりすることも、その器ならではの魅力です。

ただ、すべての変化を「味わい」として受け入れる必要はありません。

美しい経年変化と、衛生面で気を付けたい汚れは別のものです。

だからこそ、陶器の性質を知り、必要なお手入れをしながら使っていただきたいと思っています。

少し手間が掛かることもありますが、それも器と長く付き合っていくための、小さな習慣なのかもしれません。

まとめ

陶器のカビや黒ずみを防ぐために、特に大切なのは洗ったあとの乾燥です。

風通しの良い場所で十分に乾かし、湿気がこもらないように収納する。それだけでも、トラブルを防ぐことにつながります。

また、黒ずみにはさまざまな原因があるため、すべてをカビと決めつけず、状態を見極めることも大切です。

お気に入りの器だからこそ、無理なく、気持ちよく使い続けたいもの。

少しだけ性質を理解して、これからも毎日の食卓で陶器を楽しんでいただけたら嬉しいです。

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