陶器の器はオーブンで使える?直火との違いや注意点
はじめに
陶器の器を使っていると、
「この器はオーブンに入れても大丈夫?」
「電子レンジが使えるなら、オーブンも使える?」
「陶器なら直火でも使えるの?」
と疑問に思うことがあるかもしれません。
グラタンや焼き料理など、器ごと加熱してそのまま食卓へ出せれば便利ですよね。
しかし、一般的な陶器はすべてオーブンや直火に対応しているわけではありません。
見た目だけで判断することも難しいため、知らずに使用すると器のひび割れや破損につながることがあります。
今回は、陶器をオーブンや直火で使うときに知っておきたいことを、陶芸家の立場からご紹介します。
普通の陶器はオーブンで使える?
まず知っておいてほしいのは、
「陶器だからオーブンで使える」とは限らない
ということです。
陶器は制作の過程で高温の窯に入れて焼かれています。
そのため、「1000℃以上で焼いているのだから、家庭用オーブンくらい大丈夫なのでは?」と思われるかもしれません。
しかし、陶芸窯で器を焼くことと、完成した器を家庭用オーブンで加熱することは同じではありません。
陶芸では、器の状態に合わせながら時間をかけて温度を上げたり下げたりします。
一方、日常生活では冷えた器を熱いオーブンへ入れるなど、短時間で大きな温度変化が起こる場合があります。
陶器はこうした急激な温度変化によって、ひびが入ったり割れたりすることがあります。
そのため、作家やメーカーが「オーブン使用可」としているもの以外は、基本的に使用を避けた方が安心です。
「耐熱陶器」と普通の陶器は何が違う?
オーブン料理や直火調理に使われる器には、「耐熱陶器」と呼ばれるものがあります。
土鍋やグラタン皿などを想像すると分かりやすいかもしれません。
耐熱陶器には、一般的な食器とは異なり、熱による膨張や収縮に耐えやすいよう考えられた土や材料が使われています。
陶器は加熱するとわずかに膨張し、冷えると収縮します。
この変化が大きかったり、器の中で温度差が生まれたりすると、器に負担がかかります。
そのため、火にかけることを前提とした器には、それに適した素材や作り方が必要になります。
見た目が似ているからといって、普通のお皿を耐熱皿と同じように扱うことはできません。
電子レンジとオーブンは別に考える
ここは特に間違えやすいところです。
「電子レンジで使える器なら、オーブンでも使える」
とは限りません。
電子レンジとオーブンでは、食品や器を温める仕組みが異なります。
電子レンジでの使用に問題がない器でも、オーブンのような加熱方法には対応していない場合があります。
反対に、オーブン対応の器であっても、装飾や素材などによって電子レンジの使用に注意が必要なこともあります。
そのため、
電子レンジ可=オーブン可
と考えるのではなく、それぞれ個別に確認することが大切です。
購入時の商品説明や取扱説明書に「電子レンジ可」「オーブン可」などの表示があれば、それに従って使用してください。
直火はさらに注意が必要
一般的な陶器を、ガスコンロなどの直火にかけることも避けてください。
直火では、炎が当たっている部分だけが急激に熱くなります。
すると一枚の器の中で大きな温度差が生まれ、ひび割れや破損につながる可能性があります。
土鍋などは最初から直火で使用することを想定して作られていますが、普通のお皿や鉢はそうではありません。
「陶器だから火に強いだろう」と自己判断せず、直火対応と明記された器だけを使うようにしてください。
急激な温度変化に気をつける
オーブン対応の耐熱陶器であっても、急激な温度変化には注意した方がよいでしょう。
例えば、
冷蔵庫から取り出したばかりの冷たい器を、すぐに高温のオーブンへ入れる。
熱々の器を取り出して、冷たい場所や濡れた布巾の上へ置く。
熱い器へ急に冷たい水をかける。
こうした使い方では、器の一部分だけが急激に膨張・収縮することがあります。
これを「熱衝撃」といい、器が割れる原因のひとつになります。
耐熱と書かれているから何をしても割れない、ということではありません。
長く使うためにも、極端な温度変化はできるだけ避けることをおすすめします。
作家ものの器は、購入時に確認する
作家ものの陶器の場合、作品によって使用している土や釉薬、装飾、焼成方法などが異なります。
そのため、別の作家の器がオーブンで使えたからといって、同じように使えるとは限りません。
オンラインショップで購入する場合は、商品ページや取扱説明を確認してみてください。
記載がなければ、作家や販売店へ問い合わせるのが一番確実です。
特にオーブンや直火で使いたい場合は、
「陶器だから大丈夫だろう」
ではなく、
「この器は、その使い方を想定して作られているか」
という視点で考えていただければと思います。
私の器の場合
私が普段制作している器は、基本的に日常の食卓で使う食器として制作しています。
そのため、耐熱陶器として制作したものではない器については、オーブンや直火での使用をおすすめしていません。
器には、それぞれ得意な使われ方があります。
普段使いの皿や鉢には料理を盛り、耐熱調理にはそのために作られた器を使う。
少し面倒に感じるかもしれませんが、用途に合った器を選ぶことが、安全に長く使うことにつながります。
まとめ
陶器は窯で高温焼成されているからといって、すべての器がオーブンや直火で使えるわけではありません。
一般的な陶器と耐熱陶器では、使用する土や作り方などが異なります。
また、
「電子レンジで使えるからオーブンでも大丈夫」
とも限りません。
電子レンジ、オーブン、直火はそれぞれ別のものとして考え、作家やメーカーが案内している使用方法を確認することが大切です。
お気に入りの器だからこそ、その器に合った使い方をする。
それが、器を安全に、そして長く楽しむための一番の方法だと思います。
いずれ直火やオーブンで使えるのマグカップやココット皿を作りたいなぁ…がんばります笑
