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陶器と磁器、どちらが丈夫?欠けやすさや割れやすさの違い

はじめに

器を選ぶとき、「陶器と磁器では、どちらが丈夫なのだろう?」と疑問に思ったことはありませんか?

毎日使う食器だからこそ、できるだけ欠けにくく、長く使えるものを選びたいですよね。

一般的には、陶器よりも磁器の方が硬く、強度が高い傾向があります。

しかし、だからといって陶器が必ず割れやすいわけではありません。

器の丈夫さは、素材だけでなく、形や厚み、焼成方法などによっても変わります。

今回は陶芸家の立場から、陶器と磁器の丈夫さの違いや、器を長く使うために知っておきたいことをご紹介します。

陶器と磁器、どちらが丈夫?

一般的に、磁器は陶器よりも緻密で硬く、強度が高い傾向があります。

磁器は主に陶石などを原料とし、高温で焼成することで、素地が緻密に焼き締まります。

一方、陶器はさまざまな粘土を原料として作られ、磁器と比べると素地に気孔が多く残るものもあります。

こうした素材や焼成による違いが、器の強度にも関係しています。

ただし、陶器にも高温でしっかり焼き締められた丈夫なものがありますし、磁器であっても薄い部分や繊細な形状は欠けることがあります。

そのため、「磁器だから割れない」「陶器だから壊れやすい」と単純に考えることはできません。

陶器と磁器の違いについては、過去の記事をご覧ください。

器の縁はなぜ欠けやすい?

器を使っていて、特に欠けやすいのが縁の部分です。

お皿を重ねるときや、洗い物の最中にほかの食器とぶつかったときなど、縁には衝撃が集中しやすくなります。

また、縁は器の中でも比較的薄く作られていることが多いため、衝撃によって欠けてしまうことがあります。

これは陶器だけでなく、磁器でも同じです。

特に口縁が薄く、繊細な形状の器は、素材にかかわらず丁寧に扱う必要があります。

器を洗うときや収納するときは、縁同士を強くぶつけないように気をつけるだけでも、欠けるリスクを減らすことができます。

薄い器は割れやすい?

「薄い器は割れやすい」という印象を持っている方も多いと思います。

確かに、同じ素材や形状であれば、薄くすることで強度が低下する場合があります。

しかし、器の丈夫さは厚みだけで決まるものではありません。

例えば、器の形状によって力のかかり方は変わります。

また、土の種類や焼成状態によっても強度は異なります。

そのため、厚い器が必ず丈夫で、薄い器が必ず壊れやすいというわけではありません。

もちろん、必要以上に薄くすれば破損のリスクは高まります。

大切なのは、使いやすさと強度のバランスを考えることだと思います。

陶器は使っているうちに弱くなる?

陶器を長く使っていると、表面に細かな線が現れることがあります。

これは「貫入(かんにゅう)」と呼ばれるもので、釉薬と素地の収縮の違いなどによって生じる、釉薬層の細かなひびです。

貫入があるからといって、必ずしも器自体が割れているわけではありません。

ただし、落としたりぶつけたりしたことで素地にひびが入った場合は別です。

一度ひびが入った器は、使用中の負荷や温度変化などによって破損する可能性があります。

特に、飲み物を入れるマグカップや熱い料理を盛る器では、安全のため使用を控えた方がよい場合もあります。

器に線が見つかったときは、釉薬の貫入なのか、素地まで達するひびなのかを確認することが大切です。

「貫入」については以下の記事で語っております。

陶器を長く使うために気をつけたいこと

陶器を長く使うためには、特別に難しいお手入れが必要なわけではありません。

普段の扱い方を少し意識するだけでも、破損のリスクを減らすことができます。

  • 洗うときは、ほかの食器と強くぶつけない
  • 重ねて収納するときは、縁や高台が擦れないようにする
  • 急激な温度変化を避ける
  • 食器棚から取り出すときは、無理に引きずらない
  • ひびや欠けが生じた場合は、状態を確認して使用を判断する

特に、器が欠ける原因として多いのは、日常の中でのちょっとした衝撃です。

あまり神経質になる必要はありませんが、お気に入りの器ほど少し丁寧に扱っていただければと思います。

私が考える、丈夫さと使いやすさのバランス

私は普段、マグカップや飯碗、皿など、日常使いの器を中心に制作しています。

その中で大切にしていることのひとつが、器の重さと厚みです。

陶器は厚く作れば、その分重くなります。

一方で、薄く作れば軽くなりますが、必要な強度まで失ってしまっては、普段使いの器として扱いづらくなってしまいます。

私自身は、できるだけ軽やかで、手に取ったときに自然と馴染む器を作りたいと考えています。

だからといって、軽ければ軽いほど良いとは思っていません。

以前は軽ければ軽いほど良い…と軽さを耐久していた時期もありました。けれど、お客様から軽すぎると「怖い」「割っちゃいそう」「欠けそう」などの意見を頂く機会が増えました。それからというもの、”適度な重さとはなんだろう…?”と考えるようになりました。

器には、それぞれ適した厚みや重さがあります。

飯碗であれば、手に持ったときの収まりや口当たり。

マグカップであれば、飲み物を入れたときの重さや、持ち手とのバランス。

お皿であれば、料理を盛ったときの安定感や、食卓まで運ぶときの扱いやすさ。

そうしたことを考えながら、器の形や厚みを調整しています。

丈夫さだけでもなく、軽さだけでもない。

毎日の生活の中で無理なく使えることが、私にとって大切な器づくりのひとつです。

まとめ

陶器と磁器では、一般的に磁器の方が硬く、強度が高い傾向があります。

しかし、実際の器の丈夫さは、素材だけでなく形状や厚み、焼成状態などによっても変わります。

また、どれだけ丈夫な器でも、強い衝撃が加われば欠けたり割れたりすることがあります。

器を選ぶときは、単純に「陶器か磁器か」だけではなく、どんな用途で使うのか、どんな形や重さが自分に合っているのかを考えてみてください。

丈夫さも、使いやすさも、見た目の美しさも。

それぞれのバランスが、自分の暮らしに合った器を選ぶための大切なポイントだと思います。

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