陶器を長く使うために知っておきたい基本の扱い方
はじめに
「陶器って、扱いが難しそう」
器を販売していると、そんな声を聞いたりすることがあります。割れやすいのではないか、手入れが大変なのではないか、と不安に思われる方も多いようです。
確かに、中には扱いにとても気を使う器もありますが、それには繊細な器である方がむしろ良いという理由がある場合もあります。
私の器はむしろ、毎日の生活の中で自然に使ってもらいたいと思っていますが、この記事では、陶器を長く使うために、最低限知っておくと安心な基本の扱い方についてお話しします。
陶器は「気を使いすぎない」ことが大切
陶器というと、繊細で神経質に扱わなければならないもの、というイメージを持たれがちです。しかし実際には、必要以上に気を使いすぎると、使うこと自体が億劫になってしまいます。
陶器は日常の中で使われてこそ意味があります。落とせば割れますが、それはガラスや磁器も同じです。大切なのは、弱点を理解したうえで、普通に使うことだと私は考えています。
使い始めに意識しておきたいこと
使い始めの陶器で特に気をつけたいのは、急激な温度変化です。冷えた状態の器に、いきなり熱湯を注ぐと、ヒビや割れの原因になることがあります。
所謂、「熱衝撃」というものですが、器のなかには熱湯に弱い器もあります。多くの作家や業者は、販売前にテストしているとは思いますが、それでも念のため使用前に流しなどで試すことをおすすめします。ちなみに私が昔半磁器で器を制作していた時は…熱湯を注ぐと半分にパカーンと割れました笑。現在の陶器に戻してからは問題はなくなったのですが、怖いものです。
私の器の多くは、いきなり熱湯を注いでも大丈夫なものを制作していますが、最初のうちはぬるま湯を通してから使うことをオススメします。毎回必ず行う必要はありませんが、「冷え切った状態を避ける」意識があるだけで、器は長持ちします。
洗い方と乾かし方の基本
洗剤は、一般的な中性洗剤で問題ありません。特別な洗剤を用意する必要はないですし、スポンジも普段使っているもので十分です。
洗ったあとは、しっかり乾かすことが大切です。水分が残ったまま収納すると、匂いやシミの原因になります。私は、風通しの良い場所で完全に乾かしてから棚に戻しています。この一手間が、陶器を気持ちよく使い続けるポイントです。
変化は「劣化」ではない
陶器は、使い続けることで表情が変わっていきます。色味が少し深くなったり、質感が柔らかく感じられたりすることもあります。
それを劣化と捉えるか、味わいと捉えるかで、陶器との付き合い方は大きく変わります。私は、その変化も含めて楽しんでもらえる器を作りたいと思っています。
まとめ
陶器は、正しく知ることで、思っているよりずっと気楽に使えるものです。
特別扱いしすぎず、でも少しだけ気にかける。その距離感が、陶器を長く使うコツだと思います。日々の食卓で、自然に寄り添う存在として使ってもらえたら嬉しいです。
