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陶磁器についてよくある質問

はじめに


私は2018年頃から陶芸を始めたのですが、実際にお客さん相手に販売を始めたのはその2年後あたりからでした。当時は大学院生と非常勤の公務員をしていた頃で、、私に陶芸のイロハを教えてくれた師匠に「そろそろあんたも売ってみるか・・・」と一緒にイベントに連れて行ってもらったものです。

右も左も分からないまま、とにかく形になった作品をトランクに入れ、タクシーで搬入したものです(笑)。当時は什器もなく貸出の机にざっと並べただけの粗末な陳列でしたが、それでも幾つか作品を購入してもらえたものです。

今でこそ接客術を磨き、緊張せずにお客様と積極的にお話をするようになったものですが、駆け出しの頃はお客様に質問されても知識不足や経験不足で歯がゆい思いをしてきました。そんな経験をしてきたわけですが、陶芸を始めてはや7年。これまでにお客様から特に尋ねられたことをまとめていきたいと思います。

何焼ですか?

最も多い質問がこちらです!(笑)。

私は京都で活動していますので「京焼です」とお答えするのですが、京焼というのもいまいち分からないものかもしれません。ざっくり言いますと、昔京都には都があったわけで、その時代にお上が全国の職人を都に呼び、色んな地方の様々な技法を使った器を献上させたわけです。そうして全国の器が都に残り、様々な技術が混ざり京焼という形で後世まで残ることとなりました。

と、少なくとも私は先生方のお話を聞きおぼえております。。笑

京都と言えば、もう一つ有名な「清水焼」があるのですが、京焼とは別物です。詳しいことはここでは省きますが、一部の方しか名乗れないものになりますね。

殆ど京焼のお話になってしまいましたが、「◯◯焼」というものは多少知識がないと見分けはつかないものだと思います。とはいえ、その多くは産地に由来しているものです。陶器で有名な美濃焼は岐阜県の美濃地方、土岐市や多治見市などですし、瀬戸物(せともの)として有名な瀬戸焼は愛知県の瀬戸市です。磁器で有名な有田焼は佐賀県の有田町、焼き締めで有名な備前焼は岡山県の備前市など、その産地で採れる粘土(陶土なのか磁土なのか)によります。

まとめると、「◯◯焼」とは焼き物が盛んな地方で焼かれている焼き物の総称のことですね。各々の焼き物の特色の話をし出すとすごく脱線しますので、これは他の記事で書くことにします(笑)。

電子レンジは使えますか?

これも多いですねぇ(笑)

いつも料理を作られる特に主婦の皆様には必須項目かもしれません。これをお話しするには、「陶器か磁器か?」という違いも大きく関わってきます。ただ、正直商品を作る作家・職人によって考えもまちまちですし、一概には言えないところが難しいところです。直接作り手に会って購入できるのならば、必ず聞いておきましょう。

と言うことでこの記事では一般的に使えるであろう知識をまとめてみます。

陶器半磁器磁器
電子レンジ
食洗器
オーブン

陶器について

軽く表にしてみたのですが、電子レンジの使用は基本的に陶器はお勧めしません。と言いつつ、、まぁ使えることの方が多いです(笑)。使えるには使えるのですが、場合によっては陶器の劣化を早めたり、作りがあまいものは歪んだり割れたりします。長時間の使用は控えた方がいいと言うのは賛成するところではありますが、正直、物によります。

なぜなら一口に陶器と言っても作り方や技法、素材によっても電子レンジが使えるかどうかが変わるからです。お店やネットで買うなら必ず使用できるかはぜひ確認してみてください。食洗器も、口元がどうしても強度的に弱いので欠けやすいのです。その代わり、磁器には出せない風合いとやさしさがあります。保温性もいいですね。この辺りはまた違う記事で紹介したいと思います。

磁器について

続いて「磁器」についてです。こちらは比較的万能です!電子レンジも食洗器も使えることが多く、何よりかなり丈夫です。汚れにくく壊れにくいため家庭にも、特に飲食店に好まれるのが磁器という印象ですね。ただ、温かい飲み物を注いでも陶器に比べて冷めやすいという特徴があります。また、例えばお酒を飲むなら陶器や焼き締めのような器の方が味の変化を感じることでしょう。その辺も話すと込み入った話になるので今回は割愛しますが、磁器で飲む飲み物はガラス同様に素材そのものの味を感じることができると思います。

半磁器について

半磁器は、詰まるところ陶器と磁器のいいところ取りの器といったところでしょうか。陶土と磁土をブレンドしたものを半磁器と呼びますが、その比率がどの程度かで器の質が決まります。なので一概に強度が高い、電子レンジや食洗器が使えるほど丈夫!などとは言えないところなのですが・・。

ただ単純に考えると、半分が磁器の成分であるため強度は上がります。陶器は焼成後に焼き締まったあとでも、磁器に比べて分子の結びつきが甘く隙間も大きい。しかし半磁器は磁器のような目の細かい部分も半分持ち合わせているため、陶器よりは丈夫で磁器までいかない丈夫さを持ち合わせています。半々の性質と言えばどっちつかずで微妙か・・?と思うかもしれませんが、なかなかに使い勝手の良さがある器だと私は思いますね。他と比べ、多少重くなりやすいとも聞くことがありますが、うーん。。これは作り手次第でもあるかも・・?

といったところで3種類の陶磁器を紹介してみました。それぞれの良し悪しがなんとなく分かって頂けたなら幸いです。余談ですが、オーブンが使える器というのは限られていまして、所謂土鍋を作る際に使う「鍋土」という耐火性の高い粘土を使った器でなければ直火にはかけられません。

まとめ

今回はイベントで直接お客様からよくされる質問として上記のものを挙げてみました。他にも、「お手入れはどうしたらいいですか?」「割れますか?」「どうして薄い器と重い器があるんですか?」「素焼きの器ってなんですか?」「油ものやお酢に強い器と弱い器の違いは?」「陶器はどうやって作っているのですか?」「完成までどのくらいかかりますか?」などなど・・・

沢山質問があります。様々な質問がありますが、これらについてはまた他の投稿で取り扱っていけたらなと思っていますので、ぜひまた読んでくださいね!遅筆ですが、なんとか認めていきます(笑)。最後まで拝読して頂きありがとうございました!

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