陶器ってなに?
はじめに
陶器ってなんでしょう?
えっ、、器のことだろう・・・?と言うのはあまりに説明不足ですよね笑。一口に器と言っても様々あると思います。木の器、漆、ガラス、プラスチックに紙の器。そして陶器、磁器。素材の話から入ると、陶器は粘土から出来た器と言えます。
では粘土って何でしょう?
こういう「◯◯ってなんのこと?」という質問って子どもによくされませんでしたか?笑。例えば、「木ってなに?」『んー、植物のことかな?』「じゃあ植物ってなにー?」『えっと、、ほら、お花とかどんぐりとか。外には緑の葉っぱが生えたようなものあるでしょ?あれが植物だよ』「それってみんな植物なのー?どうして形や色が違うのー??」
・・・。この終わりがない質問責め。
分かりやすく説明するって難しいものです。でも疑問っていうものを辿っていくとその本質に段々と辿り着いていくものだと思います。
私は、陶芸家になる前は臨床心理士になることを志し、子ども関係の職に就いていました。その為、上記のような人間辞書ごっこのようなことをよくしていたものです(笑)。なるべく専門用語を使わず、嚙み砕いて伝えられたらなと思います。
といったように、今回は「陶器って何?」という疑問を辿っていくような記事になります。
粘土ってなに?
粘土。ねんど?子どもが小さいころに幼稚園や小学生の頃に工作でこねこね色んなものを作ったりするあの「ねんど遊び」のこと?
そう、あのねんど遊びの「粘土(ねんど)」のことです。

先ずは、以下に”粘土”について引用を載せてみます。
【粘土(ねんど)】 辞書 Oxford Languagesから引用
- ねばりけのある土。ねんど。
- ごく細かい粒から成り、水を含むと粘りけの出てくる土。ねばつち。陶磁器などの原料。
ねばりけがある土で、陶磁器の原料。続けて「陶磁器」「陶器」とは?
【陶磁器(とうじき)】 辞書 Oxford Languagesから引用
陶器や磁器。また、その総称。
【陶器(とうき)】
- 陶土その他で器(うつわ)の形を作り、うわぐすりをぬって焼いたもの。土器より堅いが磁器ほどには焼き締まらず、不透明。信楽(しがらき)焼・薩摩(さつま)焼など。
- 陶器⑴・磁器の総称。焼き物。
色々書いておりますが、陶土(とうど)とは粘土の種類のことで「陶器」を作ることに適した粘土です。磁器は磁土(じど)がもとになっていますね。細かく言えるところは沢山ありますが、うーん!今回はマニアックな話はおいておいて・・・
陶器ってなに?
要は、「陶器」は粘り気のある土、粘土を使って焼き上げたものを言います。肉付けしていくと、陶器を作るには粘土で形を作り、【焼く】必要があります!
パンのように焼き上げると、晴れて粘土から陶器と言えるわけですが、その焼く温度によって名称が変わります。それは例えば、「素焼き」だったり「本焼き」と言ったりします。”陶器”を作るときは、基本的に2回の焼成が必要です。
素焼きってなに?
「素焼き」の器って聞いたことはありませんか?朱色の植木鉢を思い浮かべる方は多いかもしれませんね。レンガやチャイカップも素焼きの器です。中には素焼きでないものもありますが、そこは割愛するとして、基本的には約600~800℃程度の温度で焼いた粘土が素焼きと言えます。大体、8時間くらい焼くことになります。
【素焼き】 引用 Wikipedia

作り手にとって素焼きとは、陶器を作るための過程の1つとして捉えています。陶器が作られ始めた時代には、「一発焼き」と言って素焼きの工程を飛ばして一気に焼き上げる方法をとっていました。しかしこれはかなりリスクのある焼き方でして、、焼成途中で割れたり、器の表面に釉薬(ゆうやく)というガラス質のコーティングを施して焼いた場合、特にトラブルが起こりやすくもう大変です。。
そこで、より安全に陶器として完成した器を作るために考え出されたのが「素焼き」です。陶器を作る際には、基本的に2回焼成すると上述しましたが、素焼きはその1回目に当たります。素焼きの器に”釉薬”を掛けて2回目の焼成をして初めて、皆様がよく目にする陶器になります。「焼き物」と呼ばれたりもしますね。
釉薬ってなに?
本焼きの話に入る前に、釉薬の話を少し話したいと思います。釉薬は、釉(ゆう・うわぐすり)と言ったりしますが、どのようなものかご存じでしょうか?
【釉薬】 辞書 Oxford Languagesから引用
素焼きの段階の陶磁器の表面に塗っておく薬品。焼成(しょうせい)によってガラス質となり、水の浸透を防ぎ、つやが出る。
ざっくり言うと、器の表面にコーティングされているガラス質の薬品のことなのですが、これがまたややこしい・・・笑。色んな色があるし、質感も違うし、一見これは釉薬ですか?それとも絵付けしてるか?と分からないものもあったりします。

これは私が普段作っているご飯茶碗ですが、表面の白い部分が釉薬です。
釉薬は、基本的に3つの素材で構成されています。
それは、「長石」「珪石」「石灰」です。要は、石の粉とガラスの粉とカルシウム的な粉末・・・と言えば伝わるでしょうか(笑)。・・・なんだか陶芸の偉い人に怒られてしまいそうですが、基本はこの3つの素材を水と混ぜたものが釉薬です。これを素焼きの器にくっつけて焼くと陶器の完成となるわけです!
本焼きってなに?
そして本焼きの話になるわけですが、本焼きは2回目の、言わば最後の焼成のことでしたね、その焼く温度は1,100~1,230℃前後で焼成します。大体、人にはよりますが、12~18時間焼きます。温度高いし、焼く時間長いですねぇ・・・。電気代が心配です!!そして夏場になんて焼いたらもれなく地獄を味わえます!(笑)。まぁ、、こうしてしっかり焼き締めることで丈夫な器になるわけです。ちなみに、釉薬を掛けずに本焼きしたものは無釉の器や、「焼き締め」と呼ばれています。
まとめ
ここまで話してきて私が思ったことは、「あぁ、なんだか陶器を作る工程の話をしてたか・・・?笑」になりますが、陶器の成り立ちを話すには必要なことだと思いお話してみました。如何でしたでしょうか?
陶器とは、一言で言えば「粘土で器の形を作り、うわぐすりをぬって焼いたもの」。
それでも陶器について深堀された際はぜひこの記事を思い出してみてください(笑)。多少詳しく人に話せると思います!私はプロとして陶芸家やっていますから、マニアックに語ろうとすれば出来てしまいますが、これ以上の知識は使う側より作ってみたい人向けの記事になってしまうので、今回はこのくらいに・・・!ここまで拝読して頂き、大変ありがとうございました!