陶芸家になるには | 松尾亮佑

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陶芸家になるには

はじめに

陶芸家になるにはどうしたら良いのでしょう・・?

結論から言うと、陶芸家にはいつでもなれます。今、この瞬間、「私は陶芸家です」と名乗ればあなたはもう陶芸家なのです!!

どういうことかと言うと、陶芸家になるには特に資格も免許も必要ないのです。一部の伝統工芸士などは別ですが、誰であろうと陶芸作品を自身の手で作ることが出来るのならば名乗ることは可能です。

とはいえ簡単に「陶芸家」になれると言うのであれば、今度はどういう陶芸家になりたいか?という話になってくると思います。陶芸家を仕事にして生活ができるようになりたいのか、自分の作品を作りたい、はたまた作品を作って販売する陶芸作家として活動したい。様々あると思いますが、要は仕事にしたいかどうかという話になってくるでしょう。

話は変わりますが、私は初めから陶芸家を目指していたわけではありませんでした。臨床心理学を学び、心理カウンセラーとして緩和ケア病棟で働くことが目標でした。大学院生の頃から非常勤の公務員として7年働き、その合間に陶芸と出会うこととなりました。「一生の仕事にするとしたら、自分はどうするのが良いだろう・・?」と考えるきっかけがあり、当時趣味で始めた陶芸に打ち込んでいた際に、私のお師匠さんと共にイベント出店することとなりました。その時、私が作った作品が売れたのです。その瞬間、師匠から「これであんたは陶芸家だ」と言われ、名実ともに陶芸家となった日でもありました。そこから私は陶芸家として生きていく、生活していくことを意識し始めたことを覚えています。

仕事としての陶芸家

お金を頂くということ

仕事してと銘打つからには、やはりお金を稼げているか?ということになると思います。自他ともに私がプロだと意識し始めたのは、やはりお客様から金銭を受け取った時です。プロ・アマという言葉がありますが、大なり小なり自分が作ったものにお金を出して買ってもらうようなことがあれば、それはもうプロの道に入ってきてるのかなぁ~と思う次第です。

作品をお渡しするにあたりお金を頂くということは、そこに責任が生じます。それは、大きく分けて「作品をお渡しする前と後」に生じると考えています。

作品をお渡しする前

お客様がその作品を良いと思って購入して頂くわけですが、先ずはその作品の取り扱い、安全性、用途、使い勝手、場合によっては何に使うのが良いかの助言など色々言うことがあると思います。作品をお渡しする際に、プロフィールと取り扱い説明を載せた用紙も同封していますが、出来れば私が直々に説明しつつ、目の前のお客様の想いに合わせて品を提供出来たらなと思っています。個人的には、ぶっちゃけ接客を嫌う作り手の方の方が多いように思うのですが、私としては、礼儀の一つとして必ず行っていることです。

色々言いましたが、要は楽しんでお買い物をしてほしいということです(笑)。私の師匠は接客が大事だということを常々仰る方でした。売り物が良くても、それを売る人が不愛想だったり態度が悪いと、せっかく作品を気に入ったとしても買いたくなくなる・・・という経験をしたことはないでしょうか?私はあります。それって売り手にしても買い手にしても損だと思うのです。私は陶芸家ですから、陶器を売ります。けれど、日常で必ずしも必要か?と言われればそうでないものを販売しています。それでも尚、作品を見て下さっているお客様が目の前にいるのです。なるべく、礼を尽くして接客したいというのが私の考えです。

もちろん、接客されすぎて嫌になるという方も多くいらっしゃいますから、そこは気を付けているつもりなんですがね(笑)。服選びで声をかけ続けられて嫌な気持ちになった人もいることでしょう。

作品をお渡しした後

作品が自分の手を離れてしまったあとは、私にできることはそう多くありません。お客様がどういう使い方をしているのか、困っているのか喜んでいるのか・・・知りたいけど分からない。とはいえ、問い合わせはあります。「マグカップの取手が取れた!」「口元が欠けたけど、直せる・・・?」「作品が届いたけど、傷があるような・・?」などなど、様々な問い合わせを頂く機会はこれまでにありました。

所謂アフターフォローというものですが、こういう事態はなるべく購入前の段階で防いでおきたいものです。このような時、せっかく楽しんで買い物してくださったのに申し訳ない・・・という気持ちになるのですが、もちろんやれることはやらせて頂く!という想いで臨んでいます。そういった、販売の前後における責任感をもってこそプロなのかなぁ・・・と思っています。

実際、陶芸家になるためには?

プロ意識もそうですが、実際陶芸家を目指すにはどうしたらよいのでしょう?

陶芸家といっても色々ありまして・・・。私のような、所謂「器作家」と呼べる陶芸家もいますし、美術館や百貨店で美術品として出していく方も陶芸家です。工芸と美術でよく分けられるようなイメージがありますが、私が多少語れるのは「器作家」のことのみです。

狭き門

正直、あまり言いたくないことなのですが「陶芸家」として成功する人は少ないです。かく言う私も、「なれるわけがない」「食えないよ」「もっと早くから始めてればチャンスあったかもね」など否定的な意見ばかりを頂いてきました。私は負けず嫌いで、行動で見返す精神があった為か、言われると逆に燃えてしまう性質なのもあり、これまで頑張れて来ています(笑)。

そうは言っても、陶芸の学校に行った際にはじめに言われたことは、【就職率が低い】【離職率が高い】【給料低い】でした笑。んー、厳しい笑。実際、肉体労働だし腰も痛めやすく陶芸業界で生き抜くのは根性がいります。ましてや個人作家なら、売れないと生活が出来ません。在庫も山積みなら、まるでマルチ商法にでも騙されたような酷い現実にもなりかねない。自己満足だけでは仕事になりません・・・。

どこで学べばいい?

暗い話をしましたが、何も食えない!と言い切るわけではありません。やりようはあると感じています。

私の場合は、作家さんが個展をしているところに突撃して「すみません!仕事を手伝うので陶芸を教えて頂けませんか!!」と直談判するという手法を取りましたが、、笑。

多くの人は陶芸を学べる学校や職業訓練校に通っていると思います。または、陶芸教室の生徒から作家になる人や、独学で成り上がった方もいらっしゃいます。

私の話にはなりますが、陶芸を始めた当初は、まだ非常勤の公務員もしていましたし、仕事を掛け持ちしながら土日にイベント出店をしたりしていました。仕事終わりに陶芸を教わり、別の日には睡眠時間を削り夜中まで製作、練習・・・人より陶芸を始める時期が遅かったと思っていたので、技術を身につけるため師匠に少しでも近づくため必死でした。

そういう地道な努力もあって然るべきだとは思いますが、多くの陶芸家は、学校等で学んだあと、3~5年ほど窯元や陶芸作家のもとで修業し、その後独立という道をとることが多いようです。修業期間中に陶芸家として生きていくノウハウを師匠に教わることもできるでしょうし、人脈やツテも紹介してもらえることでしょう。そうしてある程度準備が整ったのちに独立するというのが通例のように聞くところです。

私の場合は少々特殊だったのか、師匠がいるとは言っても、ビジネス師弟関係と言ったらよいのか・・・。よく想像される師弟関係というより、なるべく対等な関係のまま、「陶芸のイロハを教えてもらう代わりに仕事を手伝う」というWinWinの関係のようなものでした。私のお師匠さんもそういう関係の方が良い、と言って下さったいたので、私にとってもそれが心地よく楽に感じていました。

師匠から教わった後、もっと技術を磨きたい!同じ形、大きさで大量生産できる職人の技術を学びたい!と思い陶芸の学校にも1年通いました。元々は職人に憧れていたんです。しかし私の性分と言うか、一人でやりたい!という想いが強く作家となることを決意した次第です。

行動が大事

そうこうしているうちに、とにかくイベント出店をしまくりました。月に4~5回くらい?のペースで手作り市に出店していました。そうすることで、とにかくぶつかり稽古のごとく体当たり的に場数を踏んでいき、何が売れるのか、お客様は何を求めておられるのか?という市場調査をしつつ腕も磨きました。あの時はとにかく必死だったので、馬車馬のごとき動いていました。今はもうあんな動き方はできません(笑)。

分からないならとにかく動け!その思考で行動し続けた結果、今の私がいます。必要なのは目標と行動力だと思います。何を目指すか?それを実現するためにどこで学ぶか?なにをすればいいか?そういった問いを見つけて、その問いに対して現時点での答えを見つける。その繰り返しで小さな目標と達成という体験をし続けることが大切だと思います。

ほとんど精神論というか、あまり具体的にどうすれば陶芸家になれる!という話にはならなかったかもしれませんが、声を大にして言えるのは、「行動すること」です。よく物事を観察して、自分の感性を信じて自分がどんな人間でどういう考え方ができるか、なにが出来るかを細かく意識できることも大事だと思います。

私は、心理学を専門にしていたこともあり、その辺は得意だったのかもしれません。私の好きな考え方に、「どうすればいい?ではなくどうするか?」というものがあります。どうしたらいい・・・?なんて悩んでいたところで問題は解決しません。問題が見えているのならば、それに対して対処するため自分なら「どうするか?」という具体的な考えを起こすことが行動に繋がると思います。

様々言いたい放題言いましたが、私がこれまでにやってきたことです(笑)。一定の効果は・・・見込めると信じています!陶芸家になりたい方がこの記事を読んで下さっていたら、参考になれば幸いです。今回はこの辺で・・・!

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