陶芸の土練り | 松尾亮佑

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陶芸の土練り

はじめに

前回の「陶芸と作陶の違い」の記事に引き続いて、今回は「土練り」について書こうと思います。土練りと言ったり土揉みと言ったりしますが、まぁそこは好みです笑。

陶芸の工程にはそりゃもう様々なものがあるとお伝えした前回でしたが、土練りとはなんでしょうか?

土練りとはざっくり言って粘土を練り上げることです。料理で言うところの下ごしらえですね。

下ごしらえが丁寧でないと、その後の出来栄えに関わりますよね?適当に準備をして、なんとなく見栄え良く作ったとしても…やはり最初から念入りに準備したものとは完成の質が違うものです。

さて今回はその下ごしらえである土練りについて語ってみようと思います…!

土練りとは

土を練っているところってあまり見る機会はないと思うのですが、なんとなくパン作りや蕎麦生地を練る動作と似ている気がします。

そのどちらも見たことない…。という方には申し訳ないのですが笑。

動きはともかく、要は土練りをする意味ですよね。先に、土練りは下ごしらえだと言いました。土練りの次の工程である「成形」、つまり形作りにおいての土作りの良し悪しはものすごく影響します。

先ず言うこととして、土練りには大きく分けて2つありまして、「荒練り」と「菊練り」というものがあります。

荒練り

荒練りとは、一言で言えば土の硬さを均一にする作業です。大抵、お店で買ってきた土は土練機(どれんき)という土を練る機械を通して、既に使いやすく加工されています。

ただ、既に使用して余った土を再生させる際には必ず土練りが必要です。土練機を通すのは早いのですが、まぁ70〜100万くらいかかるのと場所が必要なので…笑

とまぁ、私は手作業で荒練りをしていくのですが、かかる時間は1玉につき約5分です。大体6kgの土を使って土を揉みますが、このくらいの量で私のお茶碗なら大体20〜25個程度作れます。

荒練りをする意味が、土の硬さを揃えると言いました。ロクロで作品を作る時、粘土が所々柔らかかったり硬い部分があるとすごく作りにくいんです…。そして出来上がった作品が歪みやすくなって割れる原因にもなります。ホットケーキを作る時でも、ダマがあると口当たり悪くなりますよね。そんなイメージで、土の粒子も均等にしてあげた方が作りやすく、完成品も良いものになります。

先程、1玉を5分程で練ると言いましたが、揉む回数で言うと大体100回程度でしょうか…。場合によりますが、ロクロの時よりタタラ成形の方が沢山揉んでいます。

菊練り

荒練りが終わったら次は菊練り!

菊練りは、その名の通り仕上がりが菊の花のようになることからその由来がついています。今回は紹介しませんが、タニシ練りという方法もあります。これは磁器作家の練り方ですね。こちらはもう難しすぎて訳が分からない揉み方です笑。

さて菊練りをする意味は、主に土の中の空気を抜くこと、そして土の粒子の向き・流れを一定にすることが目的です。

土の中に空気が入った状態で作品を焼き上げてしまうと、窯の中で作品が爆発したり、亀裂が入ったりと何も良いことがありません…。作りにくくもなるし、作陶を学び始めてまず覚えないといけない仕事と言えるでしょう。

土の中の空気を抜きつつ、土を菊の花状になるよう揉んで最終的には砲弾型に仕上げます。そうすることで、ロクロに土を据えやすくなります。そして仕上がった土には「方向性」が記憶されるのです…!

この土の「方向性」というものが非常に大事でして、、粘土はその形が変わるという性質上、力が加わった部分の流れを記憶します。

どういうことかと言うと、例えば京都ではロクロの回転方向は右回転です。つまり粘土の塊が右回転であると非常に挽きやすく(作りやすく)なるということです。逆回転で作ると次の粒子の方向とぶつかって解けてしまいかねないし、すごく作りにくいことになります笑。ちなみに、ロクロで初めに作りやすくするための土の準備として、「土殺し」という作業があります。…物騒な名前ですね笑。こちらは、次の記事の「成形」で扱おうと思います。

まとめ

このように、土練りというのは作陶における最初の最も重要な工程となります。最初が肝心、というやつですね笑。

最初の下拵えが十分でなければ、次の作業、そして次の次の作業へとその皺寄せがきます。決して適当にしてはならない仕事と言っても過言ではないと私は思っています。

【土練り3年、ろくろ10年】という言葉もありますし、土練りをマスターするにはとても時間がかかります。それだけ奥の深い仕事ですね。

プロは簡単そうにやってるように見えるかもしれませんが、実のところ「ちゃんとできてるかな…」とかなりチェックしながらやっています笑。地味な作業ですが、地味な仕事ほど大事だというのは他の職種でも変わらないような気がします。

次回は、土練りを終え、作品を形作っていく「成形」について書いていこうと思います。拝読ありがとうございました。

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