陶器と磁器の違いとは?見分け方を陶芸家が解説
はじめに
「陶器と磁器って何が違うんですか?」
展示会や陶器市で、よくいただく質問のひとつです。見た目が似ているものも多く、正直見分けづらいですよね。今回は、陶芸家として活動している私の視点から、陶器と磁器の違いをできるだけわかりやすくお伝えします。
原料と焼成温度の違い
一番大きな違いは、原料と焼く温度です。
陶器は主に「陶土」と呼ばれる粘土を使い、磁器は「磁土」という石の粉を主原料にした粘土を使用しています。
焼成温度も異なり、陶器はおよそ1,200℃前後、磁器はそれよりも高温(1,300℃を超えることも)で焼かれることが多いです。この違いが、質感や性質に大きく影響します。
見た目と質感の違い
陶器は、土のあたたかみや柔らかい風合いが特徴です。少しざらっとした手触りや、釉薬の表情が豊かに出るのも魅力です。
一方、磁器は白くて硬く、つるっとした質感があります。光にかざすと、薄いものは透けることもあります。見た目はすっきりとしていて、シャープな印象です。
強度や扱いやすさの違い
一般的に、磁器のほうが硬く、吸水性が低いとされています。そのため、シミになりにくく、日常使いには扱いやすい面もあります。
陶器は磁器に比べるとやや吸水性がありますが、その分、土の風合いや経年変化を楽しめるという魅力があります。どちらが優れているというより、性質が違うと考えるのが自然です。
見分け方のポイント
簡単な見分け方としては、
・底の部分の土の色を見る
・光にかざしてみる
・触ったときの質感を感じる
といった方法があります。
慣れてくると、「あ、これは陶器だな」と感覚的にわかるようになります。
例えば、陶器は磁器と比べて底がザラついてるなぁ、目が粗いなぁとか。指で弾いた時に鳴る音が金属音に近いと磁器、鈍い音なら陶器など、色々見分け方はあります。
でも音を確認する際は作家さんに確認してくださいね!人によっては怒る方もいらっしゃるかもしれません笑。それと、生地の厚い所や薄い所によっては指で弾いても音の鳴り方が異なる為、慣れが必要です。
まとめ
陶器と磁器の違いは、原料・焼成温度・質感・性質にあります。
どちらが良い悪いではなく、使う場面や好みによって選ぶものです。違いを知ることで、器選びがもっと楽しくなるはずです。
私は陶器が好きで製作していますが、磁器もプライベートで使います。この料理には陶器の方が合うよね、このお茶を飲むときには磁器の方がお茶本来の味が楽しめるよね。日本酒を飲むなら陶器の方が雑味が消えて美味しいよね。違いを知っていると、使い分けもできてより食卓が楽しくなりますよ。
