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なぜこの釉薬・形を選んでいるのか

はじめに

作品を見ていただいたときに、「どうしてこの色なんですか?」「この形には意味があるんですか?」と聞かれることがあります。
陶器は、見た目の印象が強い分、理由があるように見えるのかもしれません。今回は、私が釉薬や形を選ぶときに、どんなことを考えているのかを少しお話ししようと思います。

釉薬は“主役になりすぎない”こと

私が釉薬を選ぶときに大切にしているのは、器そのものが主張しすぎないことです。
料理を盛ったときに、器が前に出すぎず、それでいて存在感はある。そんなバランスを目指しています。
派手さよりも、毎日の食卓に自然に馴染むかどうか。使うたびに気負わず手に取れるかどうか。その視点で釉薬を選んでいます。

私の作風に対する姿勢も関係していますが、私はあまり色を扱うのが得意ではないのです。そのためか、釉薬を選ぶときは白か黒か2択で考えることが多かったです。使っても、アクセントとして口元の流れに茶色や青色を使う程度にしています。

形は使う場面から考える

形についても、見た目だけで決めることはほとんどありません。
持ったときの重さや指の収まり、洗いやすさ、重ねたときの安定感。実際の生活の中でどう使われるかを想像しながら、少しずつ形を詰めていきます。
ほんの数ミリの違いでも、使い心地は大きく変わります。その調整の積み重ねが、今の形につながっています。

また、お客様との対話を通してマイナーチェンジを繰り返してもいます。実際に使って下さるのは、やはりお客様ですからね。使う人に聞くことを最も大切に考えています。私の想いと使い手の声を合わせると、「良い器」になると思いませんか?

完璧を目指しすぎない

焼き物は、思い通りにならないことも多いです。
釉薬の流れ方や焼き上がりの表情は、窯を開けるまでわかりません。すべてをコントロールしようとすると、かえって窮屈な器になってしまう気がしています。
ある程度の揺らぎや偶然を受け入れることも、陶器の魅力だと思っています。

と言いつつコントロールしようとしている自分もいたりしますが笑。アートと工芸の間にあるような器作りを目指していますが、ある程度再現性のある釉薬を使いたいのが本音です。とはいえ、色んな表情を見せてくれるチタン結晶釉はそもそも安定しない釉薬なので振り回されています笑。

だからかな?付き合いがいがあるのかもしれません。

京都で作陶するということ

京都で作陶していると、どこかで「完成度」を意識させられる場面があります。
伝統や積み重ねのある土地だからこそ、無意識のうちに、自分の中の基準も引き上げられていると感じます。その空気感が、作品にも少なからず影響していると思います。

繊細さ丁寧さを重視している方が多いような気がします。荒々しい作品も好きですが、神は細部に宿るという言葉があるように、一見粗くても調和の取れているように見えるのは、やはりそういうことの積み重ねなのだと思います。

まとめ

釉薬や形を選ぶ理由は、すべて「使われる器でありたい」という思いにつながっています。
やはり使ってもらってなんぼですからね。私は生活の器を作る「器作家」でありたい。        そして背景を知った上で器を手に取ってもらえたら、使う時間が少しだけ豊かになる。そんな存在であれたら嬉しいです。

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